1 国税通則法
国税通則法は「国税についての基本的な事項及び共通的な事項を定め・・・ることを目的とする。」法律ですが,この法律の中に,「修正申告」「更正の請求」「更正」「決定」に関する規定が置かれています。
「修正」と「更正」は,いずれも,間違った課税標準又は税額等を「改め直す」ことですが,それぞれ次のように使い分けられております。
2 修正
同法19条は「納税申告書を提出した者は・・・申告に係る課税標準等又は税額等を修正する納税申告書を税務署長に提出することができる。」と規定しております。この「修正」は納税義務者からする,税額が増える「なおし」です。
3 更正の請求
同法23条は「納税申告書を提出した者は,・・・次の各号の一(1号は「・・・当該計算に誤りがあつたことにより,・・・税額が過大であるとき。・・」に該当する場合には,・・・税務署長に対し,・・・課税標準等又は税額等・・につき更正をすべき旨の請求をすることができる。」と規定しています。この「更正の請求」は,納税義務者が,すでに確定した税額が過大であること等を理由に,税務署長に対し,税額が少なくなる「なおし」を求めることをいいます。
4 更正
同法24条は「税務署長は,納税申告書の提出があつた場合において,・・・課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき,・・・は,課税標準等又は税額等を更正する。」と規定しています。この「更正」は,税務署長からする,同法23により税額を少なくする「更正」と,税務署長の調査によって税額を増やす「更正」があります。
4 決定
同法25条は,「税務署長は,納税申告書を提出する義務があると認められる者が当該申告書を提出しなかつた場合には・・・課税標準等及び税額等を決定する。」と規定しています。この「決定」は,納税義務者から税の申告書の提出がない場合に,税務署長が,課税標準等又は税額等を「確定させる」ことをいいます。