14 改正・修正

1 改正
「改正」とは,改めることですが,「法令の改正」あるいは「法令の改正案」というように,改正の対象になるのは,制定された「法令」や「条例」等です。
なお,改正の対象となる法令等を全体としてとらえていう場合には「改正する」と表現しますが,法令等の個々の部分をとらえていう場合には「改める」と表現します。
例えば,前者の場合は,
「〇〇法の一部を改正する法律」,
後者の場合は,
「第〇条第〇項中『A』を『B』に改める」
というようにです。

2 修正
「修正」は,直して正しくすることですが,「改正案の修正案」というように,法令上は,国会における法律案,予算などの議案の修正(国会法57条や83条等)のように案の段階で直すことを言います。

無論,地方公共団体の議会で,条例案やその改正案の修正案を審議するような場合もあります。
要は,制定される前の「案」の直しが,修正です。

ですから,「改正案の修正案」という言い方はありますが,「修正案の改正案」という言い方はありません。

なお「法律」は,案の段階では「法律案」とされていますが,「予算」と「条約」は「案」の段階でも「予算」「条約」とされ,「予算案」「条約案」とはされていません。

参照:
国会法87条
「法律案,予算,条約及び憲法改正原案を除いて,国会の議決を要する案件について,・・・」