6 褒める心

1 毀誉褒貶
毀誉褒貶(き・よ・ほう・へん)という言葉があります。
「毀」は,「そしる」「非難する」という意味,「誉」は「ほめる」という意味,「褒」も「ほめる」という意味,「貶」は「けなす」という意味です。
用語の使い方としては,「毀誉褒貶相半ばする」とか「毀誉褒貶が極端に分かれる人物」など,名詞として使われます。
要は,毀誉褒貶とは,人に対する評価をいうのです。

2 毀誉褒貶は人の属性
人なら,誰もが,毀誉褒貶いずれの評価もなされます。ですから,毀誉褒貶は,人の属性(本質的な特徴)の1つでもあるのです。
これは,どんな立派な人でも,探せば,そしられ,けなされる面もあること,どんなに否定的に見られる人でも,褒められることの1つや2つはあることから,理解できるでしょう。

3 ほめることの重要性と効果
昨日のコラムでは「責めない」ことの重要性を説きましたが,それをさらに積極的にした言葉が,「褒める」ことです。
昨日のコラムで,責める効果に,責める人の平常心の喪失,人の心の離間,品性の下方移動などをあげましたが,褒める効果は,逆に,褒める人の平常心の向上,人の心を惹きつけること,品性の上位移動などを挙げうるでしょう。

4 結論
人は,「責めない」という消極的な努力と智恵を超えて,「褒める」という積極的な努力と智恵が求められるのです。