この場合は,使用者に即日解雇に固執する事情がある場合でない限り,解雇日から30日を経過した日に解雇の効力が生じるとされています。無論,この間は賃金は支払わなければなりません(平成13年8月24日大阪地方裁判所判決)。
ただ,この場合,労働者が解雇予告手当を支払わないでなされた解雇の意思表示を即時解雇と思い労務の提供を断念したときは,右解雇の効力は労働者が労務の提供を断念した時点で発生し,かつ,この時点において,使用者は30日分の平均賃金から解雇通知後労働者が労務を提供していた日数を控除した日数分の解雇予告手当を支払うべき公法上の義務を具体的かつ確定的に負担するものと解されます(昭和51年12月24日東京地方裁判所判決)。
なお,予告手当を支払わず,即時解雇をすることは,労働基準法違反ですが,この場合,裁判所は,違反した使用者に対し,労働基準法114条による附加金支払を命ずることができます。