土地の価格については一物四価という言葉があります。
四価とは,一般には,
①国土交通省が出す,公示価格(毎年1月1日現在の価格を3月に公表)
②都道府県が出す,地価調査価格(毎年7月1日現在の価格を9月に公表)
③相続税評価額としての路線価(毎年道路=路線ごとに国税局長が決定する土地の単価)
④市町村で出す固定資産税評価額(原則3年ごとに評価替え。次は平成18年度)
のことですが,実は,土地の価格は,それ以外にも,
⑤取引価格 と言われるものもあり,
⑥実勢価格 という言葉もあります。
実勢価格というのは,実際の取引価格という意味に使われていますが,さらに不動産鑑定士による
⑦鑑定価格
もありますので,土地の価格は一物多価というべきかもしれません。
なお,路線価は公示価格の8割をめどに,固定資産税評価額は公示価格の7割をめどに評価されています。
この問題については,浅香又彦著『混迷する中古マンション流通市場』(大学教育出版社発行)77p に有益な情報が掲載されています。