いわゆる,内部告発者保護法のことです。平成16年6月18日に公布された法律で,食品の偽装表示事件や,自動車のリコール隠し事件など,近年多発した企業の犯罪行為や法令違反行為の多くは,企業内部の労働者からの通報を契機として明らかにされたことから,この法律ができました。
企業の正社員,パート,アルバイト,派遣労働者や取引先企業の従業員などが,その企業が犯罪行為や法令違反行為をしたか,または,しようとしている場合にマスコミや消費者団体,被害者などに通報した場合,企業がその従業員を解雇したり,降格,減給などの不利益な取扱いをした場合にそれを無効とすることを定めた法律です。
派遣社員が通報したことによって,派遣先事業者が派遣元事業者との労働者派遣契約を解除することも無効とされ,また,派遣先事業者が派遣元事業者に派遣労働者の交代を求めることも違法としております。
にもかかわらず,企業がこれら従業員に不利益な処分をした場合には,従業員はそれの無効を主張し,また,損害賠償を請求することができます。